個人事業理髪店では、食べていけないのか!?
先日、こんなご質問をいただいた。

独立を検討している方からなんですが、自分自身が独立した時の感覚や、その後どのようなことを考えながら継続しているのか!?
また、中村商店のケープを使ってくださっている現個人事業主の皆さんのご意見などが、こちらの質問者さんの人生を前進させるために役立つのかもしれないと考え、取り上げさせていただこうと思った。
質問内容を書き出すと、以下のようになる。
- 中村がなぜ他店舗展開を前提とした法人化をせずに個人店の事業を選んでいるのか?
- 「フリーランス、個人事業は長続きしない」という否定的な意見にどう対処すればよいか?
- 将来的に始まるインボイス制度による理容師のフリーランス、個人事業のメリット・デメリットは何か?
はじめに
この動画を見てくれている理髪店のオーナー。
それも個人事業主の理容師さんたちにも、意見を聞かせてほしいところです。
ぜひ、YouTube当該動画のコメント欄で、独立前にどのようなことを考えていたか、もしくはどのような悩みがあったか教えてください。
直接書き込むのが躊躇われる場合は、以下までDMお待ちしてます。
事前に中村の見解を話しておくと
独立することも勤め続けることにも、成功があり失敗がある。
どちらでも正解と不正解があると考えている。
これは何事にも言えることで、何を選択しても同じだけの正解と不正解があって、選択することは自由なんだってこと。
以下に、独立し自営業をしていくことについて解説する。

画像出店元:韓国アウトローバーバーショップ(ハリーさん)2018年
現在ハリーさんは独立開業
2ndモデル クラシカルストライプス(中村商店)
中村が多店舗展開しない理由
なぜ、中村は個人理髪店を拡張展開しないのか!?について端的に言うと、
"今の自分"には、ソロ営業がしっくりきていて、それが快適だから。
雇用し多店舗化しようと考えた時期や挑戦したこともある。
うまくいかず中断保留しているだけとも言えるし、それが人生の最後まで続く可能性もある。
途中で気が変わって多店舗化するかもしれない。
事実、着々と準備をしている。(多角的事業開発を主旨とした法人:MANDARiSM LLC.)
この法人についての詳細はまた別の機会にする。
個人事業主と法人をどこで切り分けて考えるのか?
【個人店】
フェーズ0:0 事業計画を立て、開業準備をする
フェーズ1:0-1 事業を開始し、売上を作る
フェーズ2:1-10 1のケースを反復し、再現性を作る(集客の再現性、セールスの再現性、サービス提供の再現性)
------(分岐点)------
【法人】
フェーズ3: 10-100 フェーズ2の再現性にルール化やマニュアル化を構築し組織で実行する
否定的な他人の意見について

2003〜2004年ごろ、僕が独立を宣言したら、親兄弟、友人に至るまで殆どの人が難色を示した。
親は心配だから。
兄弟は、実際には否定的ではなかったが、彼らはまだ大学生だったし、ピンときてなかっただけかも。
あまり正確な記憶ではないけど「技術も経験もないのに、独立に必要な大金を借金するなんて言語道断だ。」みたいなことを言われたと思う。
最終的には、開業資金の半分近くを出資してくれたし、返済期日を何度もリスケしてもらって、返済が終わるまでに10年近くかかった😂
古くからの友人は笑っていた。
幼馴染たちは、応援もしてくれていたが、おそらく本音では冷ややかな気持ちがあったと思う。
彼らの名誉のために言うと、やはりそれは心配だったからじゃないかな。
23,4歳の頃だから、同世代に独立開業してるような奴は皆無だったし、現代のようにカジュアルに会社を立ち上げられる時代じゃない。それにインターネットはあったけど、比較的に正確な情報にアクセスするのは、書籍以外には考えられないくらいだった。
3年ほど勤めた会社の同僚には相談こそしてないが、独立の話は聞いていたようで心の底から無理だと思ってようだ👼
それに、報告した元職場のオーナーには、笑って「お前には無理」だと言われた。
しかし、そう言われるのは当たり前のことで、当時の僕は会社のカリキュラムになっていた「シャンプー」と「顔剃り」のテストに合格するに留まり、そこから先のテストは受けてすらいなかったから、2年半勤めていたけど技術力で言えば出来の悪いアシスタント程度だった。
*この修行時代のことは、いつか元上司や元同僚に客観的な印象を聞いて動画にしたいな。。
*他人の意見やアドバイスは重要なのか?
忘れかけていたけど、当時からそれに対する答えをもっていた。
他人のアドバイスや意見は、”その時点では”全く意味をなさない。
なぜならば、自分が何をしようとしているのか、自分でもわからないのだから、結論付けること自体が不可能だ。
で、同時にこの記事や動画も同様。
他人の賛否は、どちらも無意味で無価値。
もちろんそれは100%そうだという過激な話じゃない。
"その時点では"無価値
自分自身が何をどのようにいつまでにするのか?という信念のない状態では、他人の意見をブレーキ代わりに利用しているに過ぎない。
目を瞑り、胸に手を置いて、心の声に耳を傾けてほしい。
自分と向き合い、自分と対話し、自分を鼓舞し、自分を疑い、自分の疑いを晴らす行動をとっているだろうか?
他人の意見を理由に動けない、もしくは他人の話を鵜呑みにし、ただ漠然と彼らの言葉に流されていないか?
彼らは自分の人生に全ての責任を負って、対処することが可能なのか?
そんなわけがない。
あなたの人生に全ての責任と権利を有しているのは、あなた自身。
それは、どんな時にも絶対に忘れちゃいけない。
あなたがその責任と権利を行使しないのであれば、他人はあなたを信頼することはできない。
その日々の行動と結果が導いたのが、「否定的な意見」の正体です。
当時の僕がまさにそうだった。
誰からも信用されていなかったし、実績もなかった。
そして、それは何よりも怖いことだと感じていた。無職の夏。
(中村23歳、解雇され半年間が溶けていた)
価値のあるアドバイスに昇華させる素材が、「否定」

*恐怖心について
恐怖とは何から発生するのか?
それは無知からくる。
認知していないことに対する不安や見えないリスク=恐怖心
克服する方法は、調べて知ること。
どのようなリスクが具体的に発生し得るのか知ること。
*個人事業やフリーランスのリスク
以下は、一般的に語られる個人事業主やフリーランスのリスクの代表例
収入の不安定性
サラリーマンと違い、収入が一定でないため、生計を立てるのが不安定になる可能性がある。
自己責任
すべての業務や管理、税金の問題などは個人の責任であり、失敗すればその全てが個人に降りかかる。
社会保障の欠如
社会保障制度へのアクセスが限られる場合が多く、特に健康保険、年金などが不十分になる可能性がある。
ワークライフバランス
仕事とプライベートの区別がつきにくく、長時間労働や休日返上が増える可能性がある。
専門スキルの要求
一定以上の専門性やスキルが求められるため、それが維持できないと競争力を失う可能性がある。
営業リスク
新しいクライアントを見つけたり、既存のクライアントとの関係を維持したりすることは、全て自分自身で行わなければならない。
法的・税務リスク
契約や法律に関する知識が必要とされ、ミスがあれば法的、税務上のトラブルにつながる可能性がある。
競合との戦い
多くの場合、大企業や他のフリーランスと競合しなければならず、価格競争や品質で劣るとすぐに仕事が減る可能性がある。
全て解決可能な内容であり、その解決方法をデザインすることが、ユニークな事業主を生み出す。
一番面白くてやりがいがある部分。
もし、ここに対する中村なりの対処法を全て記した場合、あなたは楽を手に入れ、僕は学びを手にいれる。
そして、あなたはさらに深い恐怖心に怯えるでしょう。
だから、せめて上記のリスクについて、その他にももっと沢山あるのかもしれないあなたの悩みを調べて事前の対処法を考えてみるべき。
こういう時は、SWOT分析というフレームワークが役立ちます。
中村商店があるから個人事業主として安定しているのか?
YesともNoとも言える。
*中村商店が無いと生計が成り立たないのか?
明確にNo。
むしろ所得は増え、安定する。
*中村商店があるメリットは何か?
僕が社会で活躍すると、お客様に喜んでいただける。
僕の店が完全会員制であるので、その顧客であることを誇らしく思っていただけるように立ち回ることが、相互に有益になる。
*逆にデメリット
資金繰りがジェットコースター状態になってしまい、廃業リスクがバカ上がり。
時間泥棒。
でも、解決可能なことだからマイナスの作用はあるが、対策あればプラマイで👌
個人理髪店とインボイス制度

顧客が個人であるケースがほぼ大半の理髪店には、全く影響しない。
*フリーランス理容師とインボイス制度
顧客は個人だが、業務委託契約先は法人(個人事業も)であるため、登録事業者になっておくべきだと考えられる。
元々、消費税免税業者という考え方は、年商1000万円以下の事業者の消費税を期間限定的に緩和して準備期間を設けるということから始まっている。
何度も先延ばしになって、ようやく消費税を皆で払おうってなってるだけなんで、インボイス(請求書のこと)制度ってのは、事業者が当然負うべき責務でしょう。
結論
動かない理由探しに時間を費やすなかれ。
失敗しても命を失うリスクは皆無。
1週間の内、5日間営業できるイメージあれば個人店は余裕で成立する。
5年後、10年後?
そんな未来を確実に予想するのは無理。
明日に繋げる努力を日々する。をやり続けると、気がつくと20年の月日が経っている。
あんなに見辛い中村商店の経営に関する動画を見漁っているような人は稀です。
そんな希少性の高い人が、失敗する可能性は限りなく低い。
peace