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これから10年後の零細店舗経営を考えた



日々進化する様々なテクノロジーは、急速に世界の常識を書き換えている。


それはどこか大きな企業や最新のテクノロジーを掲げたスタートアップ企業が取り組んでいる事業だけの話に思えるが、コロナパニックを契機に加速した変化を皆が体感したはずだ。


特に我々理美容業を含む多くのサーヴィス業が直面した脆弱な経営は誰の目にも明らかになった。

来店が安定しないことのリスクや将来への不安は、潜在的に潜んでいた伝統的なマーケティングを踏襲している以上避けれなかった事態だ。

私が運営している理髪店はコロナ騒動の中で、びた一文売り上げを落としていない。そして同時に売上を伸ばしてもいない。(年初の1月には年間の売上が確定し、その大半が現金として入金されるシステム)

これらはコロナ騒動で多くの店が直面したリスクを、数年前には排除していたからだ。

完全会員制の年間契約がそれに当たる。

このロジックについては、今日の内容から少し逸脱してしまうので割愛するが、興味があれば過去の記事やYouTubeで調べてみてください。


リスクは顕在化してから対応するのがとても難しいことだ。

しかし、未来は確実に予測できる。

様々なトレンドも同様に。


だからこそ今後起き得る変化を予測し、事前に対応すべきではないか?と考える。


この記事を読み進めたあなたは、自分自身の環境に秘められたポテンシャルに目を向けるようになり、未来を創造するための準備を始めることができるでしょう。





変化の加速度はこれまで以上に

変化を的確に語るのは簡単じゃない。

それらが身近なことばかりとは限らないからだ。

そこでいくつかの例を挙げて解説したと思う。


買い物のフローに起きた変化


コロナパニック以前から徐々に進んでいた無人レジ化が急速に浸透した。

人との接触機会を減らす目的として導入が進んだが、これらはウィルス感染と関係なく起きていたトレンドの一つだ。

何人ものレジ係の人件費と比較すると無人レジのコストは限りなく小さい。

大手のスーパーやコンビニなどでは、ここぞとばかりにリストラ&設備投資が加速した。

そして我々消費者もそれをすんなりと受け入れることができたはずだ。

不慣れなうちは戸惑うが、システムは改善されアップデートが繰り返されるため、UX(ユーザー体験)は消費者の負担を減らすことが可能、かつそれらは全ての機器に対して同時並行して行われるため改善は瞬く間に進む。

一方でレジ係の人たちのオペレーションを改善しようと考えると途方もなく面倒くさいことが起こる。

ある日同時に全ての店舗、全ての人たちを新しいシステムやオペレーションに統一することなど不可能に近いと分かるはずだ。


現金主義からデジタルマネーへの変化も加速した。

ここ数年のうちに、クレジットやそれに付帯する多くのデジタルマネーの使用頻度が増えたはずだ。レジで釣り銭をやりとりする煩わしさから解放され、それらに慣れてしまった人たちにとって「現金のみ」を貫くオールドスクールな店舗は嫌厭されるようになってしまった。


僕の理髪店舗では10年前にシステムを徐々に入れ替え始め、2014年にレジと現金決済を完全廃止した。

このことにより、僕のオペレーションは大きく変わり、年間の過処分時間(空いた時間)は大幅に増加した。

計算すると理論値は以下のようになる。


{(会計時間5分✖️一日平均7名)➕銀行業務、入出金や両替30分}✖️260日営業日=7835分=130時間=5.5日


つまりレジを廃止しただけで、僕の時間は年間130時間増えた計算になる。

僕はこの時間を全て家族との時間に割り当てた。


お客様は、予約をする電話の手間、都度の日程調整、会計の時間など、さらに多くの時間を削減することができた。

この削減された時間を意識するのは、事業主である自分側だけでも良いが、お客様は何となく便利に感じたはずだ。

そして、いざ別の店舗のサービスを受けた際に感じる不便さや煩わしさはジワジワと心に残る。


これらはコロナパニックで潜在的だったテクノロジーやシステムが加速させただけで、すでに在ったものだ。

そして、加速した世界線に当てはならない旧世界のオペレーションを実行している店舗は、あっという間に淘汰される。




エンタメから見るパーソナライズの変化


みなさん承知の通り、TVを見る機会が減ったことでしょう。

代わりにエンタメとしてYouTubeやNetflixなどの試聴時間が日増しに増えているはず。

広告スキップはもとより、本編ですら少し先までジャンプしてみたりして。


音楽も映画もバラエティも情報キュレーションに至るまで、自分たちが使う様々なサービスではレコメンド(あなたへのおすすめ)が適切な方向へ修正されているのを感じますよね。


いざTVを見るとなんだか他人事のように感じる機会が増え、CMが流れ始めるとうんざりします。興味がないものは特にね。


このようにエンタメは、収集したビックデータを元に"あなたに合った"コンテンツを提供する精度が加速度的に進み始めました。


「多くの人」を対象にしたマスマーケティングから、「あなた」を対象にしたダイレクトマーケティングに移行してきた何よりの証明だ。


「そんなことは知ってるよ」


と、言いたいところだろうが、果たしてその変化に対応したオペレーションが一般的な理美容業界にあるだろうか?

顧客に最適化された仕組みがなければ、これらの環境に慣れ親しみ始めたユーザーは途端に不便さを感じるはずだ。


なんだか古臭いだけで利便性も悪い業界の未来には暗雲が立ち込めているように感じる。




零細店舗が2030年までには整備すべき仕組み

今すぐやるべき事

  • 来店までのフローの簡素化

  • 会計のEコマース化

  • バックオフィス業務の自動化

  • 自社や自分を構成するブランド(価値)は何か?を明確にする


今後5年以内にやっておくべき事

  • ブランディングを徹底し顧客を選別する

  • 価格改定(適正価格への値上げ)

  • 時間コストの改善


今後10年で目指す事

  • 時代の潮流を理解し、あなたじゃないと叶わない価値を提供すること


我々人間に残されている唯一の強みは何か?

それは体験である。


お客様に心底惚れ込んでいただくための体験(UX)を提供すること。

体験にはヘアカットを含む全てのフローが含まれていることを忘れてはいけない。

ヘアカットの技術だけにフォーカスしている旧石器時代の職人は淘汰される。




最後に

もっと具体的に、もっと明確な内容を書くこともできたかもしれない。

しかし、それでは単に中村のトレースになりかねない。

だからこそ、この記事ではできるだけ汎用性を持たせたつもりだ。


ここに参考になりそうな図書をいくつか紹介するので、ぜひ読んでみて欲しい。

そして、その中にあることを自分のことに照らし合わせ、


あなたらしくあり続けるために、そして今後の時流を的確に掴むための行動指針を見つけて欲しいと思う。
















中村商店では今後、#CBC (カスタムバーバーケープ)という取り組みを推進していきます。

各店舗ごとにオリジナルのケープを作れるようにしたい。

そんな思いで考えていますが、現状では多くの方にご案内できる状態ではありません。


  • 原寸大の.aiデータをすぐに用意できる

  • 1着あたりのコストは2.5万円前後を許容できる(ミニマム3着〜)


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peace.



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