三人揃えば文殊の知恵 〜敦賀編最終項〜 3/3

カスタムバーバーケープは何をするためのものなのか!?
今回のケースは、これまでで最も僕が掲げた理想の形だった。
始めに知っていただきたいのは、カスタムバーバーケープがただ単純に”店のオリジナルケープ”を作るためのものではない!という事。
それはどういう意味かと言うと、「店主とお客様が一緒に店のブランド価値を上昇させるツールを産み出す機会になる。」ことが最も重要だと考えている。
零細理髪店の生き残りには、お客様が抱く店主や店への愛着が最も大切になってくると考える。
そんなことは言われなくても分かっとるわ!
とお叱りを受けそうだが、もう一度胸に手を当てて想像してみてほしい。
あなたはお客様から絶大の信頼と他に類を見ない理容師で、かつ愛されてやまない存在として、お客様から熱狂的に支持を受けているだろうか!?
胸を張ってそう言える人は、僕が言わんとすることが概ね理解できるのではないかと思うし、そうではない方にとっては不快かもしれないけど、どのようにそれを成すことができるか知りたいと考えるんじゃないだろうか?
そのどちらでもなければ、その人にとって中村の存在とはその程度のものだろうし、僕もその人を知りたいとは思わないだろう。
カスタムバーバーケープでなければ、ブランド価値を高める機会がないと言っているのではない。
それは一つのきっかけにしかすぎない。
ハードルは高いかもしれない
いざ取り組むとなると、出だしから困難が待ち受けるだろう。
まず誰にどのように頼めば良いのか分からないだろう。
それはあなたが顧客の事を知らないからかもしれない。
顧客自身であったり、顧客の背景だったり、好き好みや得意としていることを理解できていないのではないか?
もっと深く顧客と接してお互いの理解を深めることができれば、信頼関係にも変化がおきるだろうし、互いに好きなデザインや傾向をすり合わせることが日常的に起こるものだ。
その延長線上にオリジナルのケープデザインが存在している。
中村商店の販売しているケープ
現在、売り出しているケープについては、試しに使ってみる程度で構わないと思っている。
僕らが好き勝手に作っただけのデザインを、店の雰囲気に合うように選ぶだけで良い。
お客様はきっとケープのデザインが変わるたびに気がついてくださるはずだ。
僕のお客様も違うケープをかけるたびに、「今回のデザインはいいねー」だとか「この色つかいが好きだなー」など反応を示してくれる。
床屋が想像している100倍お客様は自分に身につけられるケープを見ているし、レビューしたいと感じている。
だからこそ最高の品質でお客様を包んでもらいたいと思い、妥協点を高い位置で維持している。おかげで原価は安くなく販売価格も高いと感じている人も多いだろう。申し訳ない気持ちがあるが、エンドユーザーであるあなたのお客様に最高の満足を提供するためには仕方のない事だと思っている。
僕はざっくりと言ってしまえば、実際にお金を払い買っていただいてる理美容師の顔色など見ていない。
いつも想像してニヤついているのは、散髪に来られるお客様の顔だ。
彼らの彼女らの喜びに貢献したい。
購入してくれる顧客の多くは、その媒介者だ。
カスタムとは何のために存在しているのか?
我々は既製品に手を加える行為をカスタムと呼んでいる。
それは既製品に不満があるケースも当然あるだろうけど、多くの場合は「より期待値に近づけるため」ではないだろうか?
車やバイクをカスタムする際に、ベース車両が嫌いな人は少ないはずだ。
そのベース車両がすごく好きで、だからこそより自分の好みにアップデートさせたと考える。
もっと良くしたい、もっと愛着の湧くルックスが必要だ、もっと自分だけのセッティングに変えたいなど。
ケープにもそうした文化が芽生えていくように中村商店は頑張って続けていきたい。
最後に
長文でつらつらと書いてしまったが、このような機会と、あらためて自分の思いやイデオロギーを呼び起こしてくれた吉村さんと幸光さんに感謝を申し上げる。
ありがとうございます。
そして、このような癖の強いだろう思想と駄文を最後までお読みくださった人たちにも、感謝を。
ありがとう🙏
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せっかくここまで読んだんだし、何かあなたの意見を聞かせてください。